トポロジー最適化

 トポロジー最適化は,製品あるいは製品を構成する部品の形状を対象として,所望の性能を最大限得ることができる構造、形状を求める構造最適化手法のひとつです.トポロジー最適化は、寸法最適化、形状最適化、トポロジー最適化に大別できますが、この中でトポロジー最適化は最も自由度が高く、機器性能の大幅な改善が期待できる優れた手法です.もともと自動車を代表とする機械、航空機、建築物などの製品設計に利用されていましたが、私たちの研究室では、モータや誘導過熱装置などの電気機器を対象としたトポロジー最適化手法の開発を目指して研究に取り組んでいます.

 

1.電磁シールドのトポロジー最適化

球殻構造電磁シールドのトポロジー最適化結果
 近年,電気・電子機器の普及に伴い,電磁界が人体や機器に与える影響が問題視されています.効率よく電磁界を遮蔽するためには,シールドの構造や材料を試行錯誤的に決定する必要がありますが,トポロジー最適化を利用することによって優れた遮蔽性能を持つシールドを自動的に導くことができます.左図は,電磁シールドの遮蔽性能向上を目的としてトポロジー最適化を行った一例になります.左図の結果から,電磁シールドは単一の材料だけでなく,複数の材料を組み合わせることにより遮蔽性能が向上することが明らかとなりました.

 

 

 

 

2.永久磁石補助付き同期リラクタンスモータのトポロジー最適化

 電気機器における電力消費量の60%以上がモータの消費電力で占めているため,モータの高効率化が必要不可欠です.高効率・高トルクなモータとして同期モータがあります.同期モータは電気自動車・ハイブリッド車や電車,家電製品に使用されています.私たちの研究では,より高効率・高トルクな同期モータの新構造の発見を目的としています.新構造の導出には,トポロジー最適化を使用します.

 

 

3.電磁気学と構造力学の連成によるトポロジー最適化

電磁気学と構造力学を併用した磁気シールドトポロジー最適化

 電磁界解析によるトポロジー最適化から得られた構造は,電磁界のみの物理量をターゲットとしています.そのため,得られる構造は剛性等の物理的要件を満たしていない可能性があります.したがって,最適化結果を製品設計に応用するためには、複数の自然現象を考慮した最適化手法が必要となります.

 本研究では電磁気学と構造力学の連成によるトポロジー最適化手法の開発を目指しています.

 

 

.レベルセット法による複数材料の最適化

電磁力最大化による,電磁石のトポロジー最適化

 近年,電気機器の電力消費量の大部分をモータ占めており,モータの高効率化は急務となっています.最適設計の導出にトポロジー最適化が用いられることがありますが,磁石の配置はあらかじめ決められている状態で最適化が行われており,最適な磁石配置は未知であります.

 本研究はトポロジー最適化を用いて最適な鉄芯と磁石の配置,また,磁化方向の配置を求め,さらなる高効率化を目指している.